ハルフウェイ

おくりびと」が日本映画界の話題をほぼ独占状態の中、赤西くんファンとしてチェックしておきたかった岩井俊ニプロデュース・小林武史音楽担当の映画「ハルフウェイ」を見てきました(監督・脚本は北川悦吏子)。これから見ようと思われてる方もいるかもしれないのでたたみます(ネタモロバレです)。
最近の映画にしてはすごく短かった。本編は90分なかったと思う。2時間超える映画が多い昨今これはかなり短いよね。でもこれ以上長かったら間がもたない映画でもあったようなwストーリーは高校3年のクラスメイトシュウ(岡田将生)とヒロ(北乃きい)が大学受験間近の秋に付き合いだすものの、地元(北海道)で進学すると決めていたヒロは地元組だと思っていたシュウが東京へ進学希望だったと知り愕然とする…というもの。これ本当にこれだけのストーリーなの。付き合い始めた2人に全く事件は起きなくて劇中で唯一起きた事件が大学受験。だから激しい感情のやりとりもなくて、登場人物が号泣したり悲嘆の余り絶望の表情を見せたりみたいな心の起伏がまるっきりない。だから見てるこっちもぬるま湯につかりながら気持よーく見れはするけど心を揺さぶられたりする「感動!!」って類の映画ではなくて「こんなこともあったよねー人生って長いんだもんねー」みたいなほのぼのしみじみ系でした。
超おもしろかったかと問われたならば微妙な映画なわけだけど嫌いではないかなー。オイシそうなネタ*1を入れてないとこが時代に逆行してて、でもそこがいい、みたいな。この2人でいるシーンって校内かもしくは学校からの帰り道が9割なのでほぼ全編制服。エロ一切なし。キスシーンすらなし。セ〇クスを連想させるシーンも排除してある。この2人はマジメに大学進学を希望してて、どうやらシュウはかなり勉強もできる男の子っていう設定みたいなので「今は大学合格が第一!好きなコはいるけど勉強の邪魔になる恋愛はしちゃいけない」みたいな無意識の線引を2人に感じる。実際本気で大学現役合格を目指してる学生ならこれはリアルだと思う。つかリアルすぎwリアルすぎる2人だから恋愛しつつもお互いがお互いに溺れるような関係性(つまりセ〇クスありのお付き合い)を上手に避けながら制服時代を楽しんでる。そんな淡い関係なのに自分のことより相手のことを思いやろうとする2人が切なくていい。でもこれも肉体関係になってないからこそのものなのかも。彼女を完全に自分のモノにしていないからこそ彼女に執着を垣間見せる普段はクールなシュウと、彼にカラダを与えていないからこそ彼への執着を断ち切る決断ができたヒロと。高校卒業までは描いていないのでこの2人が結局どうなったかは「ご想像にお任せします」なある意味尻切れトンボだったけどこういうの悪くないよね^^って思いましたー。
BANDAGEはもっと激情的な、山あり谷ありな物語っぽいと聞きかじってるからこういう淡々とした作品とはまた違ったモノになるとは思うんですが、こうやってBANDAGEへの期待と不安を育てていくのもまた楽しいものですよね^^

*1:レ〇プ妊娠DV等昼ドラ的釣りネタ。このあたり散りばめときゃ食いつくヤツいるだろっていうドラマにはやや閉口気味。もちろん真剣にこれらの題材をとりあげてるドラマも数少ないながらもあるっちゃあるんだけど