奇跡

奇跡

見てきました。簡単な感想でさしてネタバレでもないのですが畳みます。


兄弟漫才コンビまえだまえだが主演。この2人がとにかくよかった。芦田愛菜ちゃんとは対極にいるかわいらしさとでも言うか。芦田愛菜ちゃんは、自分がかわいいことを知っていて、大人が自分のどんな言動で喜ぶかをよくわかっているあざとさが見え隠れする。そして見ている側は愛菜ちゃんのそういうあざとさも含めて「かわいー!」って言ってる気がする。でもまえだまえだは美少年風でもなんでもなく、そのへんを普通に歩いてるどこにでもいる小学生(あくまでも見た目の印象)。激しい喜怒哀楽などの「いかにも」な演技を要求されている場面がないせいか自然体で、この年頃の子供にありがちな他愛ない言動がすごくかわいくておもしろい。人が死んだり、大失恋したり・・・といった事件はこの映画では起きない。一見平和で幸せそうで、実際にみんなそこそこ幸せなんだけど、実はちょっとずつ不幸だったり。親が離婚して兄弟離れ離れになったり、火山灰がウザかったり、飼い犬が死んじゃったり。よくあることで片づけられそうなことだけど、それらを真剣に悩んで解決方法を模索する小学生たちが愛しくなる。しかし、自分が幸せである状況が、必ずしもまわりの幸せをも生むとは限らないっていうのは切ないことだよなあ。夢をつかむことっていうのは幸せとイコールなんだろうか。逆に夢をあきらめることは不幸に直結してしまうのか。結構笑いのツボを押してくれるポイントもあって、映画館でちょこちょこ笑いが起こるような楽しい映画なのに、それ見ながらこんなこと考える私って実は超絶根暗かもしれない。まえだまえだ兄弟の背比べのシーンではこっそり泣いた。